許諾申請のために「元の論文を確認してください」と言われるのはなぜですか?

許諾申請の代行を依頼すると、「元の論文(出典)を確認してください」「元文献を用意してください」と言われることがあります。「なぜそんな作業が必要なのか」と感じる方も多いかと思います。今回はその理由を整理します。
転載許諾申請とは「申告」の手続き
転載許諾申請とは、「○○という出版物の○○ページに掲載されている○○という図表を、このような形で転載させてください」と権利者に申告し、承諾を得る手続きです。 権利者はその申告内容をもとに諾否を判断します。つまり、申告が正確でなければ手続きは成立しません。「どこかで見た図表を使いたい」「以前から使っているが出典は曖昧」という状態では、申請そのものが始められないのです。
出典の特定が必要になる理由
申請に必要な情報をそろえるためには、元の論文や書籍を手元に用意し、正確に確認することが出発点となります。
具体的には、以下の情報を整理する必要があります。
- 雑誌名・書籍名、巻号、発行年、ページ数、図表番号
- 発行元(出版社・学会)の名称、発行元の連絡先情報
これらは申請書に記載する基本情報であり、元文献を確認しなければ正確に把握できません。 「たしかあの論文だったはず」といった記憶だけでは申請書の作成はできないため、必ず原典の確認が必要です。
元文献を見ないとわからないことが意外と多い
書誌情報の確認だけでなく、元文献を実際に見ることで初めて判断できることがあります。
孫引きの有無
転載したい図表の下に「出典:○○より引用」と書かれている場合、許諾は大元の文献の権利者から取得する必要があります。 元文献を確認しなければ、この孫引きの有無は判断できません。
CCライセンスの確認
論文にクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)が付与されている場合、 条件によっては許諾不要で利用できることがあります。 ライセンスの種類は論文の1ページ目や巻末に記載されていることが多く、 元文献の確認によって初めて特定できます。
改変の有無
制作物に掲載する図表が元文献の図表をそのまま使用するのか、一部を改変するのかによって申請手続きは変わります。 改変利用を認めていない権利者もあるため、事前の整理が必要です。 元文献と制作物を見比べることで初めて判断できます。
これらは申請の要否や申請先、手続きの内容に直接関わる情報です。 元文献の確認は、許諾処理の精度を高めるためにも欠かせない工程です。
まとめ
- 転載許諾申請は「申告」の手続きであり、出典の正確な特定が大前提
- 書誌情報の確認だけでなく、孫引きの有無・CCライセンス・改変の有無も元文献を見てはじめてわかる
- 原著が「手元にない」場合は、まずは入手から始めることをおすすめします
当社では非営利団体のお客様からの転載許諾のご依頼も承っております。原著が手元にない場合は文献入手からお手伝いすることも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
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