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「著作権」とは

「著作権」とは

著作権とは、どのような権利なのでしょうか。簡単に解説します。

「著作権」とは

著作権とは、自分の著作物を「勝手に○○しないで!」と止めることができる権利です。
具体的な権利の内容には後半で触れたいと思いますが、著作権は著作物を創作した時点で自動的に著作者に付与されるものです。
ただし、著作権は永遠に続くわけではなく、保護期間が過ぎれば誰でも著作物を自由に使うことができます。保護期間は現行法上、著者の死後70年ですが、著作物の発行形態によっても起算日が異なります。また、著作物を見る・聞く行為には著作権は及びませんので、「勝手に見ないで」「聞かないで」ということはできません。

著作財産権と著作者人格権

著作権は大別して二つの内容に分かれます。
一つは著作者人格権であり、著作権法第18条~20条で規定されています。もう一つは21条~28条にある著作権(著作財産権)です。これらの権利に抵触する行為は、著作者(著作権者)に無断ですることができないのが原則となります。

まず著作財産権についてですが、学術分野の許諾実務で主に関係するのは、複製権(第21条)、上映権(第22条の2)、公衆送信権等(第23条)、翻訳権、翻案権等(第27条)、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(第28条)が中心です。
複製権は「複写機でコピーをする」というような狭い意味ではなく、「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること(2条1項15号)」と定義されています。紙の出版物をPDFにする等のいわゆる「電子化」も複製の一つです。上映権はスクリーンやディスプレイに表示する権利で、プレゼンテーションでの利用はこれに当たるでしょう。公衆送信権等とはインターネットからの配信です。したがって、他人の著作物を複製したり、上映したり、Webサイトで配信したい等の場合は、これらの権利によって無断で行うことができないルールになっています。

次に著作者人格権とは、公表権、氏名表示権、同一性保持権などの権利です。学術分野では研究者同士がしばしば氏名表示権をめぐって係争になります。研究成果を成し遂げるのに貢献したのに、その成果を発表した論文に自分の名前が出ていない(氏名表示権)、といったことや、自分の研究内容が勝手に変更された(同一性保持権)としての訴えが起こされる場合もあります。

「著作権」を侵害してしまうと

もし著作権侵害をしてしまったら、そのペナルティは決して軽いものではありません。
罰則として「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金、又はこれを併科。法人は、3億円以下の罰金(119条、124条)」と定められているほか、損害賠償責任など民事上の責任も生じます。もちろん、法的責任だけでなく、社会的・道義的責任の問題も生じます。特に企業による営利利用においては、慎重に取り扱う必要があります。

まとめ

  • 著作権とは「無断で○○しないで!」と止めることができる権利
  • 著作権侵害の責任は意外と重い。慎重な取り扱いが求められる

「○○が誰々の作品を盗作した」など著作権に関するニュースは日常でもよく耳にします。
非常にデリケートなテーマですので、特にビジネス利用においては、注意が必要です。


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