自社の論文から図表を使うにも、許諾が必要ですか?

自社が関わった論文なのだから、当然自由に使えるだろう― そう思われるのは自然なことです。しかし、実務上はそう単純ではありません。「自社論文の図表利用」について、ポイントを整理したいと思います。
学術論文の著作権はどこにある?
著作権は、論文を執筆した著者に自動的に発生しますが、医学分野の学術論文では投稿時に出版社や学会へ譲渡されるのが慣行となっています。オープンアクセス論文のように著作権が著者に留まる場合もありますが、二次利用許諾の窓口は出版社や学会が担っていることも多く、「誰が許諾を出せる立場にあるか」を確認することが許諾処理の出発点となります。
「自社の論文」でも許諾が必要なことがある
医薬品プロモーション資材への転載は営利目的での二次利用にあたるため、著作権を持つ出版社や学会への許諾処理が必要になる場合があります。「自社が費用を出した試験だから」「自社の社員が書いた論文だから」という感覚はごく自然なものですが、前述の通り、著作権はすでに出版社や学会に移っているケースが少なくありません。思い込みで判断せず、まずは著作権の帰属をしっかり確認した上で、許諾処理の要否を検討することをおすすめします。
許諾不要になり得るケース
許諾が不要になる場合もあります。代表的なのはCC BY(クリエイティブ・コモンズ 表示)ライセンスが付いたオープンアクセス論文で、クレジットを表示することで許諾なしに転載が可能です。ただし、CC BY-NCが付いた論文の場合、NCはNon-Commercial、つまり非営利目的での利用を条件としているため、医薬品プロモーション資材への転載には別途許諾が必要になります。CC BYとCC BY-NCは表記がよく似ているため、論文の1ページ目または巻末を必ずチェックするようにしましょう。ライセンスの確認で迷われた場合は、お気軽にご相談ください。
まとめ
- 医学分野では著作権が出版社や学会へ譲渡されているケースが多い
- 「自社の論文だから」という理由だけで許諾不要とは限らない
- 許諾不要になる場合もあるが、個別の確認が必要
「自社の論文だから問題ないはず」と思っていても、いざ確認してみると許諾が必要だったというケースは少なくありません。また、自社が関わった論文であることを権利者に伝えることで、許諾条件の面でプラスに働く場合もあります。判断に迷われた際は、お気軽に当社までお問い合わせください。
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