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「作図」と「改変」に違いはあるのでしょうか?

「作図」と「改変」に違いはあるのでしょうか?

出典表記における「~より改変」と「~より作図」に違いはあるのでしょうか。
許諾取得の観点と併せてお伝えします。

「~より作図」「~より改変」とは?

「~より作図」は文字通り、オリジナルに図表を創作することを指します。
医学・医薬プロモーションの領域では、数値データを元にグラフ化する等のケースが多いと思います。

一方、「~より改変」は、元の図表に一部変更を加えることを指します。
部分的な変更なので、元の図表の特徴がある程度は残る形になります。改変を重ねた結果、元の図の特徴が全く残っていない図が完成した場合は、オリジナルに図表を創作したことに等しい訳ですから、通常は「改変」ではなく、「作図」と考えられます。

許諾の必要性は?

作図の場合は「出典元にはないものをオリジナルに作った」という観点から、著作権法上は出典元の権利者に許可を得る必要はありません。
なぜなら、その作成された図の著作権は作成者にあるためです。数値データから図を作図する場合であっても、それらのデータは著作権の保護対象ではないため、許諾不要です。
ただし、あくまでこれは著作権法での理屈にすぎません。データを使って独自に作成したとしても、それが元の著者の意図に反する場合はクレームがつく可能性もあるため、慎重に考えるべきでしょう。

改変の場合は、「改変して利用する」という許諾が必要です。
一言に「改変」といっても、内容を変えること、見た目を変えること、その両方を変えることがあり得ます。著作権法的には、著作物の「見た目」=表現形式を変えることは無断ではできません。例えば、元の図の一部を取り除いたり、付け加えたりすることです。
医薬品広告の許諾実務上は、見た目がわずかに違う程度であれば権利者は気にしないことが多いです。例えば、論文からグラフのデータはそのままに、グラフの配色や凡例のフォントなど、多少のデザインを変更する場合です。
ただ一方で、データを追加する、削除する、数値を変える、一部を強調させるといった内容の変更については、事前の了解が必要であると考えるべきでしょう。これは著作権法だけでなく、科学コミュニケーションの観点からも言うまでもありません。

まとめ

  • 「作図」と「改変」の意味は異なる
  • 著作権法上、「作図」は許諾不要、「改変」は許諾必要
  • 法律上の観点とは別個に、許諾を取得することが望ましいケースもある

「作図」の場合、著作権法上、許諾不要が原則です。ただし、あくまで「原則」です。
実務においては、参照元資料の関係者から許諾を取ることが望ましいケースもございます。


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