CC BY-NC ライセンスの文献から転載許諾を取得することはできないのでしょうか?
製薬企業のプロモーション資材に文献から図表を転載したいのに、著作権表示に「CC BY-NC(Non-...
小野寺 舞
自社が関わった論文なのだから、当然自由に使えるだろうー そう思われるのは自然なことです。しかし、実務上はそう単純ではありません。「自社論文の図表利用」について、ポイントを整理したいと思います。
まず前提として、著作権の仕組みを確認しておきましょう。 著作権は著作物を創作した時点で著作者に自動的に発生します。ところが、著作権のうち財産的な権利(著作財産権)は、他者に譲渡することが可能です。学術論文の世界では、投稿時に出版社や学会との間で著作権譲渡契約を結ぶことが一般的です。特に海外の医学・理工系雑誌では、論文の受理と同時に著作権が出版社に移転するケースがほとんどです。国内誌でも、近年は発行学会への著作権譲渡を求めるところが増えてきています。 また、製薬企業がスポンサーとなって実施した臨床試験の論文であっても、論文を実際に執筆・投稿した著者(医師・研究者など)が著作者となります。スポンサーである製薬企業は試験を支援した立場であっても、それだけでは著作者にも著作権者にもなりません。つまり、自社が深く関わった論文であっても、著作権を現在保有しているのは出版社や学会、ということが十分に有り得るのです。
前述の通り、学術論文の多くは投稿時に著作権が出版社や学会に移転しています。医薬品プロモーション資材への転載は営利目的での二次利用にあたるため、その場合は出版社・学会への申請が必要です。「自社の論文だから」という事情は、残念ながら申請を省略できる理由にはなりません。まずは掲載誌の投稿規定や著作権譲渡契約の内容を確認してみましょう。
一方で、以下の場合は許諾が不要になることもあります。
ただし、ここで注意が必要なのがCC BY-NC(非営利)です。CC BYとCC BY-NCは表記がよく似ていますが、医薬品プロモーション資材への転載は「営利目的」とみなされるため、CC BY-NCが付いた論文は許諾なしには利用できません。「NCが付いていても、申請すれば許諾が下りるケースがほとんどです」という点は別記事でも触れていますが、いずれにせよ申請は必要です。CC BYかCC BY-NCかの確認は、論文の1ページ目または巻末を必ずチェックするようにしましょう。
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