既存の資材を別の媒体に作り直すことになりました。転載許諾は何を確認すればよいですか?
パンフレットをWebサイトや動画に作り直すなど、既存の資材を別の媒体向けに作り直す場面は少なくありま...
小野寺 舞
「海外の論文に掲載された図表を日本語に翻訳して制作物に掲載したい」というご相談は少なくありません。結論から言えば、翻訳しての掲載は認められることが多く、過度に心配する必要はありません。ただし、押さえておきたいポイントがいくつかあります。翻訳の観点から整理します。
海外文献の図表を日本語に翻訳して掲載するケースは、医療系コンテンツ制作の現場でも一般的に見られます。ただし、翻訳は単なる転載ではなく、原著作物への変更を伴う利用にあたるため、掲載にあたっては事前に権利者から翻訳利用を含む許諾を取得しておくことが前提となります。適切な手続きを踏むことで、翻訳版の図表として掲載できるケースは多くあります。
注意すべき点は、翻訳した図表の掲載が認められるケースが多いとしても、許諾なく翻訳・掲載できるという意味ではないことです。文献中の文章や図表を別の言語に翻訳する行為は、著作権法上の「翻訳」に該当し、著作権者が有する翻訳・翻案に関する権利(著作権法第27条)の対象となります。
そのため、利用許諾を申請する際には、単なる転載ではなく、「翻訳したうえで掲載する」という利用形態を明確に伝え、その内容に基づいた許諾を取得することが重要です。「そのまま転載」のみの許諾を得た後に、実際には翻訳版を掲載するといった、申請内容と利用実態の相違が生じないよう注意しましょう。
翻訳して掲載する場合、許諾の条件として、出典表記に翻訳した旨を明記するよう求められることがよくあります。原文をそのまま載せるのではなく翻訳して使う以上、その事実を読者に示しておく、という趣旨です。 こうした指定は、許諾が下りた際の許諾書に条件として記載されているのが一般的です。海外文献の場合、英語のクレジット文言で指定されることもあります。許諾書に示された表記の指定を確認し、それに従って対応すれば問題ありません。
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