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著作権者と連絡が取れない場合はどうすればよいですか?

Q6.著作権者と連絡が取れない場合はどうすればよいですか?

A6.

正式なやり方としては文化庁の裁定制度を使いますが、実務的な対応はまちまちです。著作権が存続している以上、許諾なく使っているというクレームを付けられないためには、文化庁の裁定制度を使うしかありません。詳細は「裁定の手引き」をごらんください。

しかしよほど時間のある計画ならともかく、文化庁の裁定制度の利用は決して実務的に使いやすいとは言えません。実際にあまり使われていないとも聞いています(※1)。連絡がつかない場合は使うのを断念する、これが第一選択です。

特に海外の機関や著者に連絡がつかない場合、この裁定制度を利用するというのは、現実的ではないように思います。

いずれにせよ、どういう方針をとるかは利用者自身が自分の責任で判断しなければなりません。時間や手間、リスクとの兼ね合いで、利用を断念するのか、または使うなら裁定申請を出すのか、それとも無許諾であっても使うのか、を判断しているのが現状です。

裁定制度にあるような作業基準を満たすかどうかはともかく、一定の努力をし、その作業記録は残して置くべきでしょう。万一クレームが来た場合に協議するには、実際にそれなりの努力をしてきたこと示さなければなりません。分からないから何もしない、記録もない、ではクレームが来た場合に悪質と判断され、その後の協議も思うように進まず、最悪の事態につながるリスクとなるでしょう。

文化庁によると、裁定申請は、「相当な努力」を払っても権利者と連絡することができない場合であることが前提条件となっており、「相当な努力」については、権利者が不明であるという事実を担保するに足りるものでなくてはならない、とされています。具体的には、「相当な努力」とは具体的にどのようなことを指すのかについては、以下の全ての方法により習得を試みよ、となっています。

・権利者の名前や住所等が掲載されている名簿・名鑑類の閲覧

・ネット検索サービスによる情報の検索

・著作権等管理事業者等への照会

・利用しようとする著作物等と同種の著作物等の販売等を行う者への照会

・利用しようとする著作物等の分野に係る著作者団体等への照会

・広く一般に対して権利者に関する情報提供を求めること(新聞や著作権情報センターのホームページに掲載するなど)

(※1) 城所岩生 「著作権法がソーシャルメディアを殺す (PHP新書) 」 p.178 によると、2010-201年の年間平均最低件数20件に過ぎない。

 
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